SNSでモヤモヤしたとき、自分を守る優しい工夫
- popo
- May 27
- 6 min read
今回は、「SNSでの人間関係に疲れたとき、どうしたらいい?」という内容について考えてみたいと思います。
みなさんはSNS使っていますか?様々なSNSがあって、いろんな人と繋がり生活の様子や考えがシェアできるようになりましたね。
ところで、普段SNSを使っていらっしゃる方の中で
いいねの数が気になる
他人の投稿を見て落ち込む
誤解されたかも?と不安になる
ネガティブなコメントが頭から離れない…
そんなご経験をされたことのある方はいらっしゃいますか?
こうした思いをご経験され、人知れず悩み、辛い思いをされていらっしゃる方は決して少なくありません。
妬む気持ちや孤独感が増える、自尊感情の低下する、睡眠時間、学習時間が減少する…
そういったことも最近の研究から明らかになっています。
誰かの充実した時間が見える、
きらきらして見える、
誰かと誰かがつながっている、
こんなに「いいね」がついている、
羨ましい、いいなあ、
それなのに自分は…
そんな風に、誰かを羨ましく妬ましく感じられたり、まるで自分が出来ていないように感じられてしまったりしてしまうことは、決して珍しいことではありません。
そんなとき、心や脳ではどんなことが起きているのか、そしてどうしたら少し楽になれるのか、自分にやさしく一緒に考えてみましょう。
● SNSで心が疲れやすい理由(脳と心のメカニズム)
1. 【比較のスイッチ】が勝手に入る
私たちの脳には、「他人と自分を比べて、自分の位置を確認しようとする」ような本能的なしくみがあります。
ずっと昔の祖先たちにとっては「自分がどれくらい優れているか、強いか、この集団の中で受け入れられているか?」というのは生き抜くために大切な能力でした。
受け入れられなければ、そこで生活していけない、死へ直結してしまうようなことであったのです。
そしてこの力は進化の過程で生き延びるために必要だったのですが、今は時代が大きく変わりました。
狩りをして食料を手に入れたり、限られた集団の中で認められないと死んでしまうような時代ではなく、誰もがある程度自分で選択することが出来るようになりました。
しかし、祖先がもっていた本能的な仕組みは受け継がれていて、今でも誰かと比べてしまったり、集団に受け入れられているかを確認し、不安になったりしてしまう脳の仕組みは残っているようです。
そして、今日多くの人が利用しているSNSでは、24時間365日、いつでも比べ続けることができてしまいます。
→ 特に「きらきら投稿」や「充実して見える人」の情報は、脳の扁桃体(不安や危機を検知するところ)を刺激しやすく、それが真実かどうかはさておき目に見える情報から自分と比較されてしまい、不安や焦りを感じやすくなるのです。
2. 【拒絶の痛み】は、身体の痛みに近い
「いいねがつかない」「コメントが返ってこない」ときには「自分だけ外されてる?」ように感じられてしまうことがありませんか?
そんなとき、私たちの脳は“拒絶された”と受け取りやすくなります。
実は、社会的な拒絶を受けたときに反応する脳の部位(前帯状皮質)は、身体的な痛みを感じるときと同じなのだそうです。つまり、SNS上のちょっとした出来事でも、心には“痛み”として響いてしまう可能性があるようですね。
3. ついSNSを見てしまうとき、脳の中で起きていることとは?
「嫌なら見なきゃいいのに」と言われたり、思ったり、「気がついたら何時間も見てしまっていた…」なんてご経験をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。
多くの人が経験していることです。大丈夫、不安になりすぎることはありません。
しかしSNSが関係してしんどさや支障が出ているとすれば、脳の中で何が起きているかを知ってみることで、どのように対策していけるかについて考えるヒントが得られるかもしれません。
SNSをみるとき、私たちの脳は「ドーパミン」という神経伝達物質を放出します。これは「快感」や「報酬」を感じる物質で、ギャンブルや甘いものを食べるときと似た作用があります。
特にSNSには
「いいね」やコメント → 予測できないご褒美
タイムライン → 次に何が出てくるかわからない刺激(変動報酬)
心理学の行動強化理論によると、この「予測できない快感」は、脳にとってとても強い報酬となり、つい見たくなる・やめにくくなる理由となります。
また、「大事なことを見逃しているかもしれない」という不安が、私たちをSNSに向かわせることもあります。
「みんな楽しそう。自分だけ仲間外れかも」
「トレンドについていけないかも」
これは、人間の“社会的つながり”を大切にしたい本能的欲求が関係しています。先にもお伝えしたように、脳は「自分が孤立していないか」「仲間に入れているか」を常にチェックするようにできているのです。
そうして、SNSを見る行為が日常の習慣になると、「考えなくても起こる行動」として定着します。
目覚めた瞬間、スマホを手に取る
無意識にアプリを開いてしまう
気づいたら時間が経っていた
という具合に「考えなくても起こる行動」として定着します。
● 心がちょっと軽くなるためにできること
1. SNSの「見え方」は“編集された世界”
誰かの投稿を見て「私はダメかも」と感じたら、そっとこうつぶやいてみてください。
「これは、その人の編集された生活の一面なんだ」「これが生活の全てではない」「こういう瞬間を楽しんでいたのかな」
SNSは、「人生のある地点」「ハイライト」を切り取ったもの。その人の不安や悩み、孤独な時間は映っていないだけなのです。あなたが感じている不安は、脳が起こしているとても自然な反応です。でも、目に映っている情報は現実の“全部”じゃないのです。
2. 「オンライン=現実・対面と同じ」じゃなくていい
SNSで誰かと気まずくなったとき、「面と向かって言われたらもっと傷ついたかも」と感じること、ありませんか?
それは自然な感覚です。
なぜなら脳は“画面越し”でも“目の前の会話”と同じように反応してしまうから。
でも、オンラインの世界では今まさに向かい合って話しているわけではない性質があり、「沈黙」や「すれ違い」も起こりやすい性質があります。
文字や画像だけでは、意図することが十分に伝わりづらいこともあれば、些細なズレが生じたときにそれをすぐに気がついたり、訂正することも難しいものです。
このことを、ちょっと心に置いておくと、受け取り方がやわらかくなります。
3. 「見ない自由」を持っていい
ちょっと気になる投稿は「ミュート」
自分が疲れたときは「ログアウト」
情報が多すぎるときは「見る時間を決める」
これは「逃げ」ではなく、環境を整えることで心を守るための大切なセルフケアです。私たちは、『見なくてもいい自由』『自分の心を守る選択』を持っていていいのです。
● おわりに:心が痛んだときこそ、やさしい視点を
SNSでの出来事は、小さな画面の中のこと。でも、そこに映る言葉や表情は、とてもリアルに心に残ることもあります。
だからこそ、「心がザワザワしたな」と思ったら、少し距離をとって深呼吸してみてください。
地面に足をつけて座ってみて、目に見えるものはなにか、呼吸をしたときに感じる香りや、聞こえる音に耳を澄ましてみるのも良いですね。
そして、
「私は私。比べなくていい」「不安になるのは、脳の反応。悪いことじゃない」「自分を大切にする選択をしていい」
このように唱えてみてください。
SNSが生活から切り離せなくなっているからこそ生じる悩み。そこに飲み込まれすぎて辛くなりすぎませんよう、適度な距離感をとって付き合って行けるといいですね。
あなたがあなたらしくいられるように、YourPerchはいつも応援しています。
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