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見えない「こころ」とそれに寄り添う言葉の狭間で。

  • Writer: popo
    popo
  • Jul 21
  • 5 min read

こころって、ふしぎです。

目に見えないし、触ることもできないのに、たしかにある。


うれしい、かなしい、イライラ、ホッとする気持ち。。。

どれも大切で、その人だけのかけがえのないものです。


私は、心理学という学問を通して、「こころ」について学び続けています。

どんなふうに人の気持ちは動くのか、どんなふうに言葉をかければ力になれるのか、こころの調子の良さ、崩れた状態とは何か、どのように対処していけるだろうか…

そういったことを心理学という学問を通して日々アップデートされる研究について学び日々の臨床に生かせるようにしています。


いろんな研究がされていて、たくさんの考え方や方法が生まれています。

心理学が発展し、さまざまな理論や治療法が生まれてきたことは、本当にありがたいことです。

そのおかげで、科学的にこころというものが見えてきて、理解をすることが出来るようになってきています。

科学として「こころ」という目に見えないものに向き合おうとするみなさまのご尽力に、感動を覚えずにはいられません。


けれど、ときどき見かける【正しい理論】のぶつかり合いに寂しい思いを抱いてしまうこととがあるのです。

どんなに立派な理論も、すぐれた方法も、万能ではありません。

人によって、境遇によって、タイミングによって、

それが功を奏するときもあれば、それを利用する時ではないときもある。

ときどき理論や考えについて、SNSなどオンラインのオープンな場所で激しく批判し合うような場面に出くわすこともありますが、それが建設的ニュアンスよりも、相手を打ち負かすようなニュアンスの強い場合には、私はどうにも寂しい気持ちを抱いてしまうのです。

学び続け、鋭く研ぎ澄ました臨床力を磨き上げていくためにも、批判的な考えというのは大切であることはもちろんであると思います。

ときに耳が痛いような厳しい意見も大切なので、真摯な態度でその意見に向き合い、考える必要があるように考えます。

ですが、相手を傷つけるような攻撃的なニュアンスの含まれる際には、どうにも難しい気持ちが湧いてきてしまい、それを見て何も言わずに静かに傷ついている人、不安になっている人もいらっしゃるのではないかとドキドキしてしまうのです。

なにより私自身も、傷ついて苦しくなっているようにも思うのです。

きっと、それぞれに背景がおありで、大切にしているものがあるのだと思います。

それはそれでいいのです。けれど、それは相手を攻撃するという形ではない、別の表現できる方法は何かないかな?と考えてしまう自分がいるのです。


科学も理論も本当に大切です。

その前提は私の中でも確かな感覚として太い柱のように備わっています。

ですが、それと同時に、難しい理論をこね回して重箱の隅をつつくようなことをすることに、自分のこころがざわつく感覚もまた確かにあります。


魔法のように、悩みや辛さ、不安を消し去ることは難しいです。

お話を教えていただきながら、どんな問題があるか、困りごとがあるか、どんなことができそうか、一緒に考え、少しずつ少しずつ、改善したり和らげたりしていくようなものが多いだろうと存じます。

そのうえで目の前のクライエントさん、その人ご自身が「今」つらいとき、となりで一緒にいてくれる存在、時に泥臭く一緒に悩んで寄り添える心理士でありたい…。

そんな自分の気持ちを再発見しています。

これも私の臨床観のひとつであって、これと同様の方もいらっしゃれば反対の方もおられるでしょう。


世の中には素晴らしい専門家の先生方がたくさんおられます。

研修や学会でも、目を見張るような素晴らしい先生方が多く、いつも雷の落ちるような刺激を頂いたり、学びをたくさんいただいています。

その中には、タイプの異なる先生もたくさんいらしゃいます。

でも、それはどちらかが正解/不正解というわけではなく、どちらもそれぞれの背景を持つ、理論や考えに寄って立つエキスパートなのです。

誰かにとってはフィットするし、誰かにとっては異なるような場合があるのです。


私自身は、心理師として、各理論を学びながら臨床で活かせるスキルを磨く学びをしている途上ですが、その核として「いま目の前にいる方が、その人の人生をすこしでも楽になれるように」「かじ取りが出来る感覚を抱けるように」そんな気持ちを抱き日々の臨床を大事にしているように思います。


甘えたくなったら、甘えていい。イライラしてしまうときだって、ちゃんと意味がある。こころの叫びが隠れているかもしれない。

悲しい気持ちも、つらい気持ちも、まるごと受けとめたい。

難しい言葉を並べるよりも、ときに泥臭い言葉だって用いながら、目の前の方にとっての最善を一緒に考えたい。

安心して、どんな感情も吐き出せる、「ここにいてもいい」「こんな自分も大丈夫なんだ」そう思える場所でありたい。

それが私の願いです。


こころは見えないけれど、だからこそ、丁寧に、やさしく、大切にしたいと思うのです。

たくさんの理論や知識があるなかで、いちばん大切なのは「あなたのこころ」に寄りそうこと。


そんな思いで、これからもそっと寄りそえる心理師でいたいと思っています。

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