「これから海外に住む」となったら、どのように感じるでしょうか?
勉強や仕事などで、海外に一定期間住むことになったとき、嬉しさ、緊張、頑張ろうと意気込む気持ち、不安、混乱…いろいろな気持ちが同時に、あるいはかわるがわる押し寄せてくることもあるのではないでしょうか。
感じられる気持ちは人それぞれ異なり、場合によっては誰かとは正反対の想いを抱くこともありえることかと思います。
希望を持つ気持ちが強いときもあれば、不安や恐怖感が襲ってくることもあったり…
そして、それぞれの方の境遇によっても感じられる気持ちはさまざまだと思います。
どこの国に行くのか、どれくらいの期間行くのか、家族がいる場合はどうするか…
どんな思いを抱いても、それはその方の大切な想いであり、「羨ましいなあ」とか「こっちの方が大変だよ」などと比べられるものではありません。
とてもデリケートな部分でもあり、誰のどの思いも決して軽く扱われていいものはありません。
*海外移住をする目的のご本人の場合
移住されるにあたって、その目的をもって行動をされているご本人の場合には、やるべきことが(ある程度)決まっている状態かもしれません。
あとはやるだけ!といった気持ちを奮い立たせて取り組む方もいるかもしれませんし、仕事などで依頼があり行かなくてはならなくなったようなニュアンスが強い場合には、不安や緊張、寂しさなどが押し寄せてこられているかもしれません。
なんとか「やるぞ」と前を向いても、実際に暮らしが始まったときに、予想以上に生活の変化に苦しくなったり、言葉や文化、考え方の違いの壁にぶつかったり、疲れや環境要因(天気や住環境など)によってストレスを受けやすくなってしまうことも少なくありません。
これは本当に苦しいです。
『自分で決めたことだから』と奮い立たせようとする一方で、その考えがあなたを孤立させて誰かに頼りづらくなったり、相談しづらくなってしまう場合もあるかもしれません。
自分で決断したことで合っても、それに伴ってさまざまな苦痛や悩みが生じてくるのもまた自然なことです。
どうか抱え込まずに、職場の人、学校の人、同じ悩みを持つ方などに声をかけ、胸の内をお話してみることをお勧めしたいと思います。
*帯同者の場合
帯同者の場合も十人十色で実にに様々です。
初めて海外に住む方、何か国か住んだことのある方、日本の仕事をお休みor辞めてこられた方、お子さまなどご家族がいる方…
そして、海外移住を嬉しく思う方と、あまり歓迎できる思いではない方と、様々です。
いずれの場合も、その人の中に生じている気持ちは正直なその人の反応で、人と違うことがあってもなにも変なことはありません。
どこに住むか、どれだけの期間住むか、言語や文化、自分自身の考え方などが複雑に絡み合って『今』の気持ちが湧いてきていることと考えられます。
例えば、移住先の言語はよくわからないし、移住前にしていた仕事が好きだったけれど辞めなくてはならなくなったような場合には、移住に際し苦痛が生じやすいかもしれません。
あるいは、海外生活にあこがれていた、あるいは住んでみたい国であった場合には、期待する思いが生じやすいかもしれません。
いずれの場合にも、住んでみてから日常の中でまた新しい感情が生じてくるかもしれません。
海外に行くと、不思議と町で出会う日本人は声を掛け合いやすくなったりすることがあります。
海外に行ったら日本人とは関わらないようにしようと決めている方もいますし、日本人の繋がりを持とうとされる方もいらっしゃり、考え方は様々です。
海外移住の中でなにか辛いときには、近くの日本人コミュニティを頼ってみたり、日本のコンテンツを利用しながら近所の散策をしてみたり、少し踏み出してみようかな、という方はmeet upなどにある地元のイベントに参加してみるのもいいですね。
*残りたい?or帰国したい?
これも難しいところだなあと感じられています。
移住した国にそれぞれの理由からもっと滞在したい、と考える方ももちろんいらっしゃいます。
住みやすさ、仕事、教育、子育て、食事、人間関係…さまざまな要因を総合した結果「この国で過ごしたい」と思われる場合と「日本に帰りたい」と思われる場合があります。
この国で過ごしたいけれど、日本に帰らなければならない…
日本に帰りたいけど、この国で過ごさないといけない…
どちらも難しさ、困難さを伴うご状況かと考えられます。
こうすればいいよね、という答えや、住みたいならor帰りたいならそうしよう!と簡単にできることではないからこそ、やはり悩ましいものだと感じられています。
*自分が感じていることが自分にとっての正解
自分が欲しい状況を持っている人がいたとき、どうしても羨ましく見えたり妬ましく思えてしまったりすることもあるかもしれません。
あるいは比べられてしまって落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
けれども、これは人によって境遇は本当にさまざまなので、比べられるものではなく、羨ましく感じられる誰かのソレは、その人にとっては悩みの種かもしれません。
あるいはあなたが悩んでいることについて、誰かは羨ましく思っているかもしれません。
なので、少なくとも自分の中で感じられていることは自分の正直な気持ちであり、自分にとっての正解なのだろうと考えられます。
なんとなく人に言いづらい、相談しづらい、批判されるかもしれない…
私自身も海外生活をする中で、上記のような思いがあって辛さを誰かになかなか打ち明けられず、ひっそりと胸の内に抱えていらっしゃる方が少なくない印象を抱いております。
辛いとき、つらくなりそうなときには、抱え込まれすぎず、家族、コミュニティの誰か、友人などに吐き出せますように…
吐き出して、あなたにとってよりよい道を見つけていけたらと心から願い応援しています。
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