インパクトの強い見出しだったかもしれません。
そして、タブー視されがちですが、大切なことだからこそ、ちゃんと知っておく必要があると考え、ひとつの記事にしてみることにしました。
これから記載することは、意思決定の正解や不正解といったニュアンスは含みません。
あくまで制度の話であることを強調しつつ、進めていきたいと思います。
ロンドンで生活される中で、ご妊娠されるかたもきっと少なくないことと思います。
まず、妊娠がハッピーな方につきましては、心からおめでとうございます!!
寒かったり病気が流行ったりとすることがありますので、どうかお身体大切に過ごしていただきたいと心から願います。
さて、ご妊娠を進められる方につきまして、健診があります。
妊娠が発覚したら、まずはGP(かプライベート)に連絡をして受診予約をします。
検診は日本のように毎週、2週に1回、月1回みたいに頻繁にあるわけではありません。
ざっくりとお伝えすると基本的には経過が順調であれば頻回に健診に行くことはありません。
イギリスにお住まい(6カ月以上)の場合、NHSという国民保険サービスに加入しているかと思います。加入されている場合には税金をたくさん払っているので、NHSサービスを受けることは基本的に無料でできます。
妊娠・出産に関わるサービスも、NHSは基本的に無料です。
さらに、言語に不安のある場合には通訳をお願いすることも出来ます。(その際、専用のサービス経由で電話ごしに通訳してもらう、というのも見たことがあります…)
ただしNHSのサービスならではの事情として、担当医師がおらず、その日出勤している医師が担当する、あるいは無痛分娩希望だったけれど人員不足で急遽自然分娩になる、といったこともあるようです。
また、日本は検診が多い分エコー写真もたくさんもらえていたかと思いますが、イギリスでは検診も少なく、エコー写真も少なくなるため、寂しさを感じられる方もいるようです。
基本的な考え方として、「妊娠は病気ではない」というものがあると私も再度教えてもらったことがあります。
もちろん妊娠によって体調や生活に変化が生じうるけれども、妊娠それ自体は病気なわけではない、と。
そして、妊娠中の異常や、さまざまなリスクの可能性がある方についてはドクターに相談をしながらサポート体制はある(実際の機能と満足度は不明)ということでした。
妊娠・出産について、NHSを選ぶか、プライベートを選ぶかはそれぞれのご家庭での方針、考え方、状況によって様々です。
あとはNHSの中のプライベート部門(説明がうまくできず)のようなくくりの産婦人科もあり、そこではプライベートほどではない料金設定があるという情報も教えていただいたことがあります。
場所はSt.Mary Hospitalや、Queen Charlotte's & Chelsea hospitalsがおそらく有名どころでしょう。
参考URLはこちら:
選択肢はいくつかありますので、みなさんにとって、より安心できる選択をしていけるといいですね。
そして次に、中絶(Abortion)を考えられている方へ。
本当に、さまざまな理由で、中絶を検討される方、決断される方はいらっしゃるのではないかと思います。
そしてそれは、中絶をする本人にとっては、言葉にできないほどの辛さ、悲しさ、罪悪感などが襲ってくることもあります。その精神的な苦しさと言ったら想像を絶するほどのものでしょう。
決断をしなければいけない、決断をした、病院の予約をする、病院へ行く、処置を受ける…
それぞれのタイミングで、都度大変な苦しみに襲われては向き合っている方もいるのだろうと思います。
本当に、勇気を振り絞って、進もうとされているのだと。
NHSには、Abortion サービスもしっかりとあります。
これもNHSサービスなので無料で受けることが出来ます。
性的暴行を受けられた場合には、専用のヘルプラインやサービスが提供されています。
精神的なショックだけでなく、性感染症の心配もあるので頼れる機関に相談し助けを求めることは大切です。
こちらで最寄りのNHS性的被害の相談センター(SARC)を検索できます。
専門スタッフがケアを担当してくれるはずです。
よろしければご参考にされてみてくださいね。
また、中絶される場合には、認められた病院で処置を受けることが出来、10週未満であれば薬で、それ以降24週未満であれば外科手術で中絶処置が出来ます。
MSIというNHS提供の生殖医療サービスで中絶処置の相談をすることも可能です。
お薬の場合には、自宅で服用できます。
定められた薬を定められた方法で服用することで、自宅で中絶を行うことができます。
日本では2023年から少しずつ始まっているようですが、まだまだ中絶することへの罪悪感や様々な事情から普及には時間を要しているようです。
この薬の中絶という方法があることで、より少ない身体への負担で中絶を行い、望まない妊娠をされた方、妊娠したことを知られたくないご事情のある方などの支えとなっている側面が確かにあります。
あるMidwife(助産師)さんから伺った話では、「中絶することに罪悪感を植え付けすぎだ」と話されていて、私もハッと考えさせられた経験があります。
もちろん、適切な避妊などは必要なのは確かにそうなのですが、さまざまな事情で妊娠され、中絶を選ばなければならない状況にある方もいます。
その方が、少しでも心身の負担少なく、中絶という方法を選べるように、望まない妊娠を継続することで、その後生じうるトラブルを防げるように…そういった願いも込められています。
中絶を選ばざるを得ない苦しみの上に、罪悪感や事情を知らない他者からの口撃、なにか思われるのではないかという不安などに、悩まされすぎませんよう…
たくさん悩んで、悩んで、悩んだ結果導き出した答えだとも思います。
利用できるサポートは最大限に活用をされながら、導き出した決断を信じて進んでいけたらと願っています。
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