「できる子」「あの子は大丈夫」の抱える見えない苦しさ
- popo

- Sep 24
- 3 min read
性格が良い、成績が良い、など、学校や生活で「問題がない」と見なされやすい子どもたちにもまた、深い悩みがあることは決して少なくありません。
ギフテッド(高能力児)や「できる子」にしばしば見られる問題として、勉強や授業が簡単すぎて苦痛・わかってもらえない孤立感・完璧主義やプレッシャー、過度の自己批判・感覚的な過敏さ・燃え尽き(burnout)などがあります。
そして、傍からの見た目に困っていない(ように見える)ために支援が届きにくく、結果として精神的に追い詰められる例が多く報告されています。
実証研究でも、ギフテッドの子どもに不安・抑うつ・情緒的困難が一定の割合で存在することが示されています。
当事者の「生の声」とは──どんな苦しさがあるか(研究から)
「周りはみんな楽しくやっているけど自分はつまらない」
「成績は良いが友だちと話が合わない」
「完璧に見えることがプレッシャーになり、失敗を極端に恐れる」
「つらい、退屈というと怒られる」
「できないんじゃないんだからいいじゃない、と言われる」…
こうした声が繰り返し報告されています。
日本では制度的にいわゆる”できない子””課題のある子”への支援が整備されている一方、「できる子」向けの体系的支援は限定的です。結果として、学校現場の裁量や保護者の情報力に依存する部分が大きく、支援格差が生まれやすくなっているのが現状のようです。
周りにできること
周囲にいる人に出来ることは何でしょうか?
①受け止める
なにより大切なのは、本人の困り感や辛さにしっかりと耳を傾け、受け止めて挙げる姿勢と考えます。
分かってもらえないことは、本人を追い詰めさらに苦しめてしまう可能性があります。
自分の物差しでは相手の辛さをはかることは出来ません。
真摯に耳を傾け、思いや考えをしっかり聞いて受け止めてあげられたらと願います。
②好きなこと、とくいなこと、出来ることは?
本人の好きなこと、得意なこと、出来ること、関心のあること…
強みとなる部分はどんなところでしょうか?
つらい部分、出来ない部分を理解するのと同じように、出来る部分、強みとなる部分を理解することも同様に大切です。
どんな方法があるか、過ごし方があるか、これからを考えていくうえで助けになります。
③学校との連携
学校や先生との相談、連携もできるといいですね。
本人がどのような困り感を抱いているか、どうしたいか、学校ではどのような対応ができるか、必要な外部との連携など、具体的に相談できるといいですね。
④外部や専門機関との連携
スクールカウンセラー、フリースクール、お近くの支援団体、研究会などと繋がり、情報を得たり仲間を見つけることも大いに助けになる可能性があります。
「できる子」の苦悩は見えにくいですが、しかし確かに存在しています。
誰にでも、その人ならではの苦悩がある…それが例え、自分と正反対であったり、羨ましい悩みに見えたとしても。
本人が「つらい」と感じているのであれば、それはつらいのです。どうしたら辛さが和らぐか、和らげるためにどんなことができるか、向き合い理解を重ねながら探っていけるといいですね。
そして学校・家庭・地域が連携して早期に認識し、強みを伸ばしつつ心理的安全を保障する支援設計が必要と考えられます。
支援制度も十分に整備もされていない現状のなかで、どのようにしていけるかは個々のケースによってさまざまで、決して簡単な問題ではありません。
少しでもそれぞれが過ごしやすくなるように、孤独を抱えられないように、仲間や味方と一緒に考えていけますことを心から願います。



Comments