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人から認められたい気持ち

みなさんはSNS を利用していますか?


私自身も様々な活動をするにあたり、SNSを利用するようになりました。

不慣れでよくわかっていないところもあるのですが、それにしてもいろんな人のいろんな投稿が目に飛び込んできて、いつ開いても興味深く感じられます。


ただ、SNSが生活から切り離せなくなり、便利で、楽しく、誰にとっても身近なものになった反面、最近ではよりよく見せようと、あるいは注目を集める【バズる】ために過激な投稿も増え問題となっているようです。


臨床の場でも、このSNSに関連する悩みや相談も増えた印象を抱いています。


いろいろな理由があるところですが、今回は「承認欲求」について書いてみようと思います。


承認欲求という言葉は、今は一般にもよく聞かれる言葉となりましたが、それは少しネガティブなニュアンスを含んでいるかもしれません。


アメリカの心理学者、マズローが提唱した【欲求5段階説】というものがあります。


これは、人間が持つ欲求について5段階を想定し説明されたもので、最下層から生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求とされています。


低次の欲求を満たすと高次の欲求が生じ満たそうとすることを説明されています。




図で表すとこのような感じです。見たことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。


そして、下から4つ目にあるのが「承認欲求」です。


これは人から認められたい、受け入れられたい、と思うような欲求のことで、承認欲求を持つこと自体はとても自然なことなのです。


この承認欲求には2つの下位項目があるとされていて、1つは他者承認、もうひとつは自己承認とされています。


この「他者承認」というのは、人から認められることを望む欲求で、認められたい、褒められたい、受け入れられたい、といったものがありますね。


他方「自己承認」というのは、自分はこれでいいのだ、といった欲求で、スキルアップを図ったり自己研鑽をされ、自分を高めることで欲求を満たし、自分で自分を尊重するようなものです。


承認欲求の中でこの「自己承認」がうまくいかないとき、もう一方の「他者承認」で承認欲求を満たそうとする行動をしてしまうことがあります。


そんなとき、近年活用されているものとして挙げられるのはSNSです。


「いいね!」「Like」やリポスト、フォロワー数、こうした数字はとてもわかりやすく自分の人気や評価への欲望を刺激、満たしてくれます。


数字が伸びるほど、自分が認められたような気持ちも得やすい。


そして、世界中のだれかと繋がり見知らぬ誰かから「いいね」の反応がもらえる喜び、認められた嬉しさといった欲求の充足感から、次第に身近な誰かや他の有名人、人気の人のフォロワー数、「いいね」の数、なども比較・参考の対象となり、さらに反応をもらう(いいねをもらい承認してもらう)ために、投稿内容に過激さが増していく、多くの人に知ってもらうために自分も誰かのフォローをする、といった行動が生じてくるようになりやすい。


SNSは承認欲求を満たしてくれやすく、かつより多くの人から承認されたいという欲求を抱かせやすくしている側面があるようです。


しかしSNSで満たされる欲求は、とても刹那的で、本当の自分ではない、よく見せた自分のほんの一部への承認であることも少なくありません。


大きく見せたくなる気持ちになることもある、誰かに認めてほしいこともある、誰にだってそういうときは起こりえるし、それ自体は自然な気持ちでしょう。


欲求が膨れ上がりすぎて飲み込まれてしまったときには少し大変な思いをしちゃうこともありますから、「まあこんなものか」というある程度の基準を持っておくのもいいかもしれませんね。


SNSの世界での承認と、現実世界で誰かがその人をその人として承認することでは、質的な違いがありそうに思います。


拒絶されることを恐れやすくなった人が増えている(と指摘されている)背景には、こうしたSNSの影響もあるのではないかと考えています。


多くの人と繋がることのできるSNSは大変素晴らしいツールであると思うことは強調しつつ、その特性を理解したうえで、自分に合った利用の仕方、距離の取り方を学んでいけるといいですね。


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