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ロンドンの冬と気分のおはなし

Updated: Nov 7, 2024

10月も下旬になってきて、日ごとに日照時間が短くなっていくのが感じられますね。


ロンドンでは夏は夜10時頃まで外はうっすらと明るいですが、9月、10月と時間が進むにつれて、日没は急速に早まり、10月にもなると夕方6時ごろにはもう真っ暗です。


冬至ごろには午後3時~4時頃には日が沈んで暗くなっていきます。


子どものお迎え時間、あるいは習い事の時間は暗い、ということも出てきます。


そして、いわゆるロンドン的なお天気、曇天や雨が降ったりやんだりな天気、そして気温が低く寒い…といった季節がしばらく続いていきます。


ハロウィンやクリスマスなどのイベントで町の装飾、楽しみなどもありますが、それにしてもやっぱり朝も暗い、夕方も暗くなるのが早い、そして寒いし天気もぐずついて日光を浴びにくい…


NHSのHPでも、10月~3月の間は日光に浴びる時間が減少してしまうこと、それゆえにビタミンDの生成が十分になされないことが言及されています。


そうなってくると気になるのが、季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder:SAD)(晩秋~冬の場合は冬季うつ)です。


SADの基準を満たさなくても、気分の落ち込み、やる気の出なさ、眠気、倦怠感、食欲減退、集中力低下…などさまざまな心身の不調がでてくることは多くの方に起こり得ます。


ロンドンの長い冬をぼちぼちと越えていくために、このSADの対策を持っていると安心なのではないかと考えます。


多くの方が陥り得る状態でもありますので、誰かの不調に気が付く・支えるためにも、ぜひ今一度対策を考えたり、人と話をしてみるのもいいですね。


以下にご参考までに、対策の案をいくつかご紹介します。



  1. 日が出ている時間は日を浴びる

    お日様のパワーと言ったらすごいですね。なので、お日様が出ているときには出来る限り浴びられるといいですね。

    また、光療法で用いられるようなSAD lampなるものもAmazonなどで購入できます。

    目安としてだいたい10000luxの光を20~30分ほど、午前中(できれば朝)に浴びると良いようです。

    私も導入しており、なかなか強い光を浴びています。これでビタミンDが生成されるわけではないようですが、「光を浴びる」という刺激にはなるようです。

    (しっかり論文を読み込めている部分ではなく、訂正箇所あればお知らせください)


  1. ビタミンD食品・サプリの摂取

    食事でビタミンDを摂取するように食生活を意識されてみるのもひとつです。

    たとえば、鮭やサバといった魚類、きのこ、赤身肉、卵など摂取されるのもいいようです。また、スーパーや薬局にもVitamin Dのサプリメントがたくさん売っています。そういったものを導入される方もいらっしゃいます。

    必要な場合にはNHSでcolecalciferol(コレカルシフェロール)という高濃度のビタミンDを補うお薬の処方がなされることもあるようです。


  2. 生活リズムを整える

    起きる時間、寝る時間、食事をとる時間、回数…など、一定のリズムを持って生活をすることは大切です。リズムが乱れると、体調にも影響を及ぼし得ます。

    崩れすぎないよう、あるいは乱れたときにはまたリズムを整えるよう、意識をしてみることをお勧めします。


  3. 楽しめることをする

    趣味のある方はそれでもいいですし、誰かと出かける、映画を観る、音楽を聴く…など、楽しいと思える時間を積極的に取り入れることも大切です。

    誰かのためになにかを行う、ということも効果が期待できますよ。


  4. 運動をする

    なるべく運動をして体を動かすことはとてもお勧めです。

    ジョギングなどの有酸素運動(20分程度/日)など、身体を動かすことで心身の健康を促すことが期待できます。


  5. 負荷の調整をする

    季節の特徴の影響を受けて、気分が塞がりがちであったり本調子ではなく考え方もネガティブな方向に傾いてしまうことがあります。そんなときには、元気な時には考えないような思考を持ったり、決断をしてしまう可能性もでてきます。

    あまり詰め込みすぎず、省けるところは省きながら、ポジティブな時間とのバランスをとっていけるといいですね。


  6. 助けを求める

    身近な人で話が出来る人がいれば、しんどくなる前から話をして発散をすることも大切です。難しい場合、あるいはしんどくなってきた際にはNHSではGPへ直接連絡、またはself referでカウンセリングや認知行動療法を無料で受けることも可能です。心の問題は時間がかかるほど治るのも時間がかかってしまうことも少なくありませんから、深刻になりすぎる前のはやめの対策、はやめの治療が大切です。一人ではどうにもいかないような場合には、ぜひ周囲の頼れる人、資源を頼っていただきたいと願っています。また、辛そうな方がいるときには、その人はなかなか言えない、言い出せない人なのかもしれません。「最近どう?」などと声をかけてあげることも、可能であれば取り入れていただけたら互いに支え合えるのではないかと考えます。



SADの流れで書きましたが、基本はうつの方も、そして今のところ大きく精神的な不調を呈してない方も、ある程度共通してお勧めできる日常生活の中でのポイントとなるかと思います。

低空飛行でも、ぼちぼちとセーブしながら冬を乗り越えていきましょう!

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