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ロンドンで子育て・教育に利用されている心理学の手法

心理学のなかに、学習に関するさまざま理論があります。


この場合の学習とは、単に勉強のことだけでなく、どのように行動を獲得するか、あるいは修正・なくしていくか、といったことを指します。


望ましい行動を獲得していく、獲得するモチベーションを高めていくために、イギリス・ロンドンの教育や子育ての中で、この学習理論に基づいた関わりがよく見られます。


特にみられるものが、シール、ごほうび、リワードチャートといった物と、褒められるといった経験です。


まず、ある場面で”善い行い””望ましい行い”といったものを子供がしたときに、それが素晴らしいことであること、どのように素晴らしいかということがすぐにその子にフィードバックされます。


そうすると、子どもは何が良かったのかをすぐに理解できて、さらに褒められて嬉しいので、その行動の頻度が上がっていく(専門的な言葉を使うと正の強化がなされる)のですね。


そして、良いことをすると、教室内に展示されて可視化されている評価表のランクが上がっていく、一番上までくるとリワードがある(外で遊べる、シールがもらえるなど様々)ので、それを目指して頑張ろうとするモチベーションを刺激する仕組みになっているんですね。


また、その他にも授業中の姿勢、周囲の人への態度、思いやり、協調性、いろんなものを先生は見つけては褒め、シールをくれます。


シールも様々で、『Well done!』などと書かれたシールや、キラキラするシール、匂いがするシール、サイズが大きいシールなど差別化がされていて、子どもたちがもらった時の喜び(報酬)が上手に意識し取り入れられているなあと感じています。


また、本屋さんなどにもよく『Reward Chart』が売られており、ご家庭でも取り入れやすくなっています。


上手にご褒美(報酬)を活用してよい振る舞い、行動を生じさせやすくするシステムを作っている、作りやすくなるようなサポートが身近にあるなと感じられています。


○○したら○○あげる、のような、【物をちらつかせて子どもにやらせる】といったニュアンスではなく、あくまで自然な生活の中で望ましい行いを大人が見逃さずにフィードバックし、ご褒美にたどり着くようなものです。


やらせる、というニュアンスではなく、子どもから自然に沸き起こるような自主的な行いをエンカレッジする、そういった関わりがたくさん見られます。


逆に、望ましくない行動には反応しない、あるいは罰があることもあります。


学習理論には行動を獲得していくこともありますが、獲得したものを修正していく、なくしていくという方法(行動の弱化、消去)もあり、それが活用されている印象です。


たとえば、子どものある行動が大人の注意を引きたくて望ましくない行動をするような場合には、反応してしまったらその行動を強化してしまう(生じる頻度を高めてしまう)ので、あえて反応しない、というような具合ですね。


あるいは、教室内に掲示されている評価表のランクが下がり、一番下まで行くと別室に移される、一定時間椅子に座らせられる(Thinking chair とか Think and quiet chairとか呼ばれそう)といったこともあります。


座っている間は他の子は外で遊べる時間、ということもあるようです。


良いか悪いか、考え方などは人それぞれではありますが、現状としてそのような関わりが子どもの教育場面、子育て場面において採用されているところをよく見かけます。


ご褒美を上手に活用して、子どもたちのやる気を引き出し、サポートできる引き出しを持っておくのもいいかもしれませんね。

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