心についての関心というのはいつの時代にも一定数の人が持つことがあるもので、私もそのうちの一人であったように思います。
今でも探求すること、勉強することを大切にしていて、その奥深さや終わりのなさに圧倒されてばかりです。
ドイツの有名な心理学者、忘却曲線の理論でもおなじみのエビングハウス(H.Ebbnighaus)が1908年に出版された心理学要論の冒頭で「心理学の過去は長いが歴史は短い」という印象的な表現をされたことは、現代においても心理学を学ぶ人であれば一度は聞いたことがあるかもしれません。
「心理学」が学問として誕生した説としては、1879年にヴント(W.Wundt)がドイツに最初の心理学実験室を設置したことが有名です。
ただ、それまで『心理学』という学問こそ成立はしていませんでしたが、人間について考える、心について考えるといったことは、古代よりすでに存在していたことが知られています。
今回は歴史の勉強ではなく、『心について知ること』ということで、話を戻すと、人がいるということは、そこには心理学が存在している、ということですよね。
直接的、間接的に人と関わるときに、相手が何者かを知ったり、どうすると快か不快かを知ったり、関わりをもつにあたって、私たちはすでに心に関する知識を活用しています。
なにをどのように伝えるか、どうすると気分が変わるか、ストレスの発散、あるいは町やお店のディスプレイなどなど…身近なところにたくさんの心理学の知識が活用されているのです。
そして、今ではたくさんの心理学に関する研究がなされ、治療やカウンセリング技法なども存在していますが、時代によって主要な課題や技法にも変化が生じますし、まだまだわからないことはたくさんあります。
身近な誰かや自分の心の揺れ動きに気が付くことができることで、声をかけたり、どこか専門機関と繋がったり、苦しくなる前の対処ができる可能性が高まったり
心の動きや働きについて知ることで、相手や自分のことがほんの少し理解しやすくなるかもしれません。
私たちはどのように生きたいかが、見えてくるかもしれません。
全部のことを知ることはとても難しいです。
けれど知ることで誰かをサポートしたり、自分が少し楽に過ごしたりできるようになれるかもしれない。
長い歴史の中で、心に関する関心は絶えず続いてきました。
私たちは、集団の中に生きるヒトであるからこそのことなのではないかと思います。
心について考えるときには、他者の存在なくして考えることは難しいのではないでしょうか。
ふとなにかのきっかけで、心のさまざまな働きについて気になられたときには、ぜひそれをきっかけに調べたり、誰かと意見を交換してみたりされてみていただけたらいいなあなんて、こっそりと願っています。
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